川越市が、旧川越織物市場を活用した 「川越市文化創造インキュベーション施設」の 運営支援事業者選定を開始

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川越市文化創造インキュベーション施設

川越市が、市指定文化財である旧川越織物市場及び旧栄養食配給所を、クリエイター等が創業や新規ビジネスの支援を受けながら活動する「川越市文化創造インキュベーション施設」として活用予定。公募型プロポーザル方式による運営支援事業者の選定を開始しました。

目次

川越市文化創造インキュベーション事業の目的と狙い

川越市文化創造インキュベーション施設
出典:運営支援者の募集サイト

川越市は、首都圏を代表する観光地であると同時に、東京近郊の居住地としての性格をあわせもっています。今後、人口の減少も予測される中で持続可能な都市であるためには、多様化する若者の就業ニーズに応えて未来を支える創造的な産業を発展させ、歴史・文化などの地域特性を活かしながら豊かに暮らせる環境づくりを進めることが求められます。

川越市文化創造インキュベーション事業では、織物市場として誕生し、市民から親しまれることで復原された、「使うことができる歴史文化遺産」というこの施設ならではの個性を活かし、川越の創造性を育む源泉として、川越の人・資源・ビジネスをつなぐ役割を果たすことにより、地域の特性を活かした暮らしの豊かさの創造を目指すものです。

川越市文化創造インキュベーション施設
出典:運営支援者の募集サイト

本事業では、施設に入居する若手のクリエイターが、創業支援や新規ビジネス創出に向けた支援を受けながら活動します。その活動を通じて、川越に存在する人や資源、技術、企業が新たな視点から再評価され、活かされていきます。それは同時に、それぞれの要素を従来なかった形でつなぐことになり、そこから新たな地域の価値が生まれ、地域課題の解決に貢献します。

このように本事業が社会に提供する「活かす」「発見する」「つなげる」「生み出す」の4つの機能は、さらに地域社会の活動そのものを活性化させ、本事業が社会に提供する価値となってその成果をもたらしていくことが期待されます。

旧川越織物市場とは

旧川越織物市場

川越は幕末から明治時代初めごろまで国内屈指の織物の集散地として流行ファッションをリードしていました。しかし明治時代末ごろには、競合の激化や地域経済の弱体化により衰退。そこで明治43年に、起死回生をかけて建てられたのが川越織物市場です。

向かい合う2棟の木造2階建ての長屋や奥行きのある土庇、格子戸と板戸を組み合わせた二重の揚げ戸、建物の間の広場空間など、当時の市場建築の姿がそのまま残り、産業遺構として希少性の高いものとなっています。

同じ敷地内の旧栄養食配給所は、川越織物工業組合が設立した共同炊事場で、昭和9年から同20年まで川越織物工業組合加入の中小織物工場に給食を配給していました。現在も、カマドが一列に7基残されており、当時の姿をそのまま残す遺構としては全国的にも唯一のもので、文化的、社会的意義が極めて高い近代化遺産となっています。

市民の声をきっかけに保存再生へ

平成13年、織物市場の跡地にマンションを建設する計画が公表されます。織物市場が明治43年の建設当時の姿をほぼそのまま残す貴重な文化資源であるとして、市民有志の方がこれに反対し、保存を求める活動がおこなわれました。

これを受け、川越市が建物の調査をおこなった結果、文化的・社会的に貴重な財産として保存・活用すべき建物であると判断し、市が保存再生する方針を決定しました。

市の所有となった後も、地域の方による管理保全の支援や見学会の開催、中庭を利用した様々なイベントの取組みなど、積極的な協力がおこなわれ、多くの方に親しまれてきました。

川越市文化創造インキュベーション施設の空間利用

川越市文化創造インキュベーション施設
出典:運営支援者の募集サイト

川越市文化創造インキュベーション施設は、旧川越織物市場の東棟と西棟、旧栄養食配給所といった文化財建造物と、新たに建築された交流機能施設で構成されます。文化財として保存する上で必要な利用の制約を守りながらも、柔軟な視点で利用方法を発想していくことにより、施設全体の創造性を高めていく構造になっています。

クリエイターの活動スペースとして、仕事に集中しやすい環境を確保しつつ、川越の人や企業、地域との多様な協働、交流を図りやすい導線を設計。単に過去の歴史を展示するだけでなく、新しい文化を創造する生きた情報発信の場として活用することで、川越市文化創造インキュベーション施設が日常の中に根づき、この場所らしい暮らしの豊かさを感じられるような空間になることを目指しています。

公募型プロポーザルの概要

川越市文化創造インキュベーション施設

川越市では、市指定文化財である旧川越織物市場及び旧栄養食配給所を、クリエイター等が創業や新規ビジネス立ち上げへの支援を受けながら活動を行う「川越市文化創造インキュベーション施設」として活用することとしています。川越市文化創造インキュベーション施設は、市が直接運営をおこなう予定ですが、運営に伴う専門的な内容については、知識、技術、経験等に優れた事業者の支援が必要となることから、その運営支援事業者を選定するにあたり、公募型プロポーザルを実施するものです。

川越市文化創造インキュベーション施設運営支援業務委託に係る公募型プロポーザルの実施についての詳細は公式サイトをご覧ください。

募集及び選定スケジュール(予定)

内容日程
公募の開始令和5年1月4日(水曜)
現地見学会受付令和5年1月10日(火曜)から令和5年1月16日(月曜)午後4時まで
※現地見学会は1月23日(月曜)または1月24日(火曜)を予定
質問受付令和5年1月13日(金曜)から令和5年1月27日(金曜)午後4時まで
参加申込書等提出令和5年1月27日(金曜)から令和5年2月3日(金曜)午後4時まで
企画提案書等提出令和5年2月13日(月曜)から令和5年2月20日(月曜)午後4時まで
ヒアリング審査令和5年3月15日(水曜)、16日(木曜)、17日(金曜)
※日時等詳細案内は後日連絡
結果通知、公表令和5年3月下旬

現地見学会について

公募型プロポーザル方式による運営支援事業者の選定の一環として、プロポーザルに参加意向のある民間事業者を対象とした現地見学会の参加申込が令和5年1月10日より開始します。

日時  :令和5年1月23日(月)もしくは24日(火) *必ず、事前にご予約ください。

対象者 :プロポーザルに参加意向のある民間事業者

対象建物:旧川越織物市場(東棟・西棟)、水廻り棟

     *旧栄養食配給所と交流機能施設は現在工事中のため、見学できません。

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